事例紹介

地域の産品をベトナムへ!八戸市の挑戦

 経済発展が著しい東南アジアの成長国、ベトナム。今後の経済成長も見据え、ベトナムへの進出に関心を持つ自治体は増えてきていますが、その中でも、”Japan Aomori Food Fair”として、2016年から2018年に至るまでベトナムでの物産展を開催し、その後も継続的に同国での取組を続けるなど、ベトナムへの販路拡大に特に力を入れている八戸市の取組を取材しました。

 
ベトナムへの販路開拓事業を行ったきっかけは?

 もともと台湾等、東アジア方面への販路開拓事業に力を入れており、何年か事業を行ってきた中で、他の国にも事業展開していきたいと考えていました。そうした中、当課と接点のあった地元イオンモールの社員の方がベトナム・ホーチミンの支店に転勤となり、その方からベトナムでフェアをやってみないか、とお話があったのがきっかけです。

 

市長によるオープニングセレモニー

 
2016年にホーチミン、2017年にハノイ、2018年に再びホーチミンと実施場所を変更している理由は?

 上述の経緯からベトナムでフェアを実施するにあたり、まずはホーチミンから始めました。同じベトナムの中でも地域によって味の好みの違い等もあることから、異なる地域でもテストするため、次にハノイで実施しました。結果、ホーチミンの方が産品に対する反応が良かったので、昨年にはもう一度ホーチミンで実施することにしました。

 

他の自治体と連携した経緯は?

フェアの実施にあたり、資金面も含め、一定以上の規模、出展商品の幅を実現する必要があったこともあり、販路拡大に力を入れている周辺の自治体にもお声かけしました。 

 
全商品が完売するなど、かなりうまくいったと聞きましたが、その要因は?

 商品自体は必ず現地でも受け入れられると考えていました。一番の問題は物流であり、事前にしっかり固めてから進めたことが良かったと思います。事前の情報収集はもちろんですが、輸出業務を委託する商社には、輸出に関する手続きとしてどういったことが必要かを確認し、出展事業者と商社の間に入ってフォローできる体制を取りました。出展事業者の皆さんもベトナムへの販路開拓の取り組みに積極的だったこともあり、問題なく開催まで至り、物産展では全ての商品が完売し、大盛況のうちに終えることができました。

 

 

多くの人々で賑わう実際のフェアの様子

 

事業実施後の変化は?

 地域の食品をベトナムの人々に知ってもらえたということが大きな一歩だったと考えています。2018年度から実施しているASEAN向け通年マッチング支援事業(後述)で商談会を実施した際、ベトナムの事業者から「あのフェアの時食べてみて美味しかった」と言っていただけるなど、物産展をきっかけに認知してもらえたことがその後の商談につながっていると思います。

 

今後の展望については?

2016、2017、2018年とフェアを行い、現地での認知度向上や商流確立等に一定の成果を得られたと感じたことから、現在はそこから一歩発展させた「ASEAN向け通年マッチング支援事業」を行い、ベトナムのバイヤーを八戸市に招聘して商談会等を実施するなど、事業者のマッチング支援を重視した取り組みを行っています。ベトナムへの販路拡大もまだまだできると思うので、引き続き注力していくとともに、他のASEAN諸国やアメリカへの展開も見据えていきたいと思います。

 

取材先:八戸市 商工労働観光部 商工課 主幹 和島 将彦様

 

                                          (経済交流課 松永)

                                   

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