長崎県「ムスリム旅行者受入セミナー」へのプロモーションアドバイザー派遣
2018年10月、プロモーションアドバイザーである一般社団法人ハラル・ジャパン協会の佐久間朋宏代表(以下、「アドバイザー」)を、長崎県主催のセミナーに講演者として派遣いたしました。
本セミナーは、県内自治体や民間事業者等を対象に、東南アジアを中心にムスリムの訪日客が増えている中で、宗教的・文化的な習慣の違いを持つムスリム旅行者に快適に長崎県を周遊滞在してもらうため、自治体や民間事業者等が正しい知識を備えて受入環境整備を進めることができるように、という目的で開催されました。
アドバイザーからは、まず、ムスリムの文化について、「ムスリム」や「ハラル」などの言葉に関する整理をしつつ簡単に紹介されました。将来的には、世界の約1/3がムスリムとなるだろうと予測されていて、インバウンドのターゲットとしても重要であると触れました。
アドバイザーからは、現在、訪日しているムスリム旅行者の中にも、日本食を楽しみたいと考えている方もいるが十分に楽しめていないケースもあると述べました。ムスリム旅行者も日本では宗教の理解は進んでいないことはわかっている、としたうえで、難しい準備は必要なく、情報開示をし、ムスリムが自分で判断できる環境を作ることが重要である、と口にしました。具体例としては、レストランでのメニューに使っている材料表示をすることで、ムスリム旅行者がノーポーク・ノーアルコール商品を判断し、日本食を楽しむことができる、材料表示については、絵文字(ピクトグラム)表記も有効であるとのことです。ハラル認証を取得するアプローチはもちろん重要であるが、情報開示をするアプローチ「ハラルと言わないムスリム対応」で、インバウンド対応を進めることも一つの手段であると紹介されました。
また、ハラル認証は世界統一基準があるわけではなく、必ずしも必要ではないという補足をしつつ、長崎県内でハラル認証を取得したカステラがムスリム旅行者に人気である点にも触れました。
食以外でも重要な点として、礼拝スペースの整備が必要で、整備が空港や一部のデパート等で進んでいる例も紹介いただきました。
今回のセミナーに参加した受講者からは、「できることからはじめてみよう。非常にわかりやすく勉強になった」という意見を頂きました。主催者からは、「ムスリムを正しく理解し、受入のための実践方法等を啓発していく」と今後の取り組みに向けてコメントを頂きました。