食を通じた地域のプロモーション・交流事業

第3回食を通じた地域のプロモーション・交流事業を 富山県西部6市で開催しました!

 クレアでは、株式会社 ABC Cooking Studio(以下「ABC社」という。)と連携し、韓国・中国・東南アジア各国のABC社の教室に通う発信力の高い生徒等を、日本に招聘するツアーを平成30年度より実施しています。本事業は、地域の「食」をテーマとした料理体験や収穫体験を参加者に経験してもらいフィードバックを得るとともに、SNSや各種メディアで発信してもらうことで、地方自治体の海外販路開拓やインバウンド促進につなげることを目的としています。

 第3回目となるツアーは、開催自治体として富山県西部6市(高岡市、射水市、氷見市、砺波市、小矢部市、南砺市)を選定し、2019年1月21日(月)~24日(木)の日程で実施しました。

 今回の参加者は5人。ABC社の香港にある教室に通われている20~30歳代の講師と生徒で、日ごろからSNS、特にインスタグラムでの発信力のある方を招聘しました。参加者5人中3人が10回以上の来日経験のある方でしたが、皆さん富山県を訪れるのは初めてでした。

 

【1日目】

 最初に訪問したのは高岡市にある温泉旅館の「雨晴温泉磯はなび」。到着後、無料サービスの色浴衣に着替えてもらい会席料理を提供しました。朝に香港を出発し、到着が夕刻になったということもあり、到着したころには参加者の疲れも見え始めていましたが、色浴衣に着替えると疲れなどものともせず、SNSを使ってさっそく発信していました。また、夕食の満足度は非常に高く、皆さん美味しそうに召し上がっていました。

 

色浴衣に着替えて記念撮影

【2日目】

 2日目の午前中は鋳物製品を製作・販売する能作にて工場見学、ぐい呑み製作体験、老舗菓子屋「大野屋」の職人による上生菓子作り実演の見学を行いました。ぐい呑み製作体験の関心は非常に高く、意欲的に取り組み、ぐい呑みが出来上がると次々に写真に収めていました。また、上生菓子の実演では、職人の手作業を動画に収めたり、できあがった上生菓子を綺麗に並べ写真撮影を行ったりとSNS映えするものへの関心の高さがうかがえました。

 

  その後は射水市の新湊漁港に移動し、紅ズワイガニの昼セリを見学。見学後は漁港近くの新湊きっときと市場で紅ズワイガニと白エビがのった紅白丼を提供。また、昼セリで競り落とされたばかりの茹でたての蟹を1杯購入し、参加者に振舞いました。1杯の蟹を目の当たりにするのは珍しかったのか、実際に手に取って写真撮影をするなど、参加者は大興奮の様子でした。

 続いて、砺波市にある若鶴大正蔵・三郎丸蒸留所に移動。日本酒やウイスキーの製造工程について動画を用いて説明を受けたあと、午前中に製作したぐい呑みを使って日本酒の試飲を体験しました。あまりお酒を飲まない参加者は、柚子や梅のリキュールなど飲みやすく爽やかなものを楽しんでおり、ターゲットに合わせた戦略が重要であると感じました。その後、写真映えスポットとしてチューリップ四季彩館を訪問し、南砺市へ移動しました。

 

 夕食は川魚、山菜などを中心とした料理を提供するお食事処坂出。南砺市職員から食材の説明などを聞いた後、参加者たちはみなさんおいしそうに召し上がっていました。ツアー中、海の幸が続いていたこともあり山の幸の評価が高かったようです。

 夕食を食べ終わると国民宿舎の五箇山荘に移動。ロビーで民謡こきりこ節を鑑賞し、こきりこ節に使われる楽器「ささら」を体験してもらいました。また、露天風呂が非常に気に入ったようで皆さんで長時間入浴していたようです。

 

【3日目】

 3日目の朝は初めに世界遺産の相倉合掌造り集落を散策。雪化粧をした合掌造りを前に、雪を手にとってみたり、スタッフが作った雪だるまを使って撮影したり、参加者の皆さんは雪をとても楽しんでいました。寒さを気にするそぶりも見せず夢中で楽しむ姿が印象的でした。

 

 

 続いて、道の駅たいら五箇山和紙の里へ移動し、和紙すきを体験。それぞれが思い思いのデザインのはがきを3枚作成しました。

 また、たいらマウンテンスクールにて餅つきを体験。参加者の皆さんは自ら喜んではっぴを着て、「よいしょ!よいしょ!」の掛け声で大盛りあがりでした。つきたてのお餅の味にも大満足でとても楽しんでいる様子でした。

 

  その後、食べられるお花「エディブルフラワー」を栽培する千華園を訪問。生産者の「お花は栄養が豊富で、食べる化粧水だ」というお話には興味深く聞き入り、お花を摘みながら次々と写真に収め、とても楽しんでいました。また、ハウス内全てのお花をその場で食べられ、持ち帰ることもできるという体験メニューはとても貴重な経験になったという声をいただきました。

 

   昼食は小矢部市で地元産品を使用したフレンチを提供するマルカッサン。和食が続いていた中でのフレンチ、かつシェフから食材の説明もいただき、美味しいという声をたくさんいただきました。

また、次の行程への移動中にはバス車内で小矢部市職員からユーモアも交えて市内の紹介がありました。移動の車内はとても明るくなり、参加者も楽しんでいるようで、受入れ側のホスピタリティの重要性を感じました。

  続いて富山県産の大豆を用いて伝統的な製法で醤油を製造している畑醸造を見学。生産者の話を興味深く聞く姿や「訪れる価値があった」との声を多くいただいたこと等から食への関心は高いことが改めて分かりました。

 

 氷見市に移動した後、氷見漁港場外市場 ひみ番屋街を訪問。簡単に氷見市の説明を受けた後、自由時間にして、皆さんお土産を購入しました。特に人気だったのがししゃものみりん干し。店員さんに紹介され、試食をしたうえで購入していました。香港では比較的日本のものが手に入りやすいため、買い物を目的にする方は少ないようですが、その場所でしか買えない付加価値を説明することで購入に繋がることが分かりました。

 その後、コミュニティスペース「ヒラク」に移動し料理体験およびパーティを行いました。料理体験では氷見市地域おこし協力隊の方、地元すし店の大将に教えてもらいながら、ブリしゃぶ用のブリの切り分け、朝に摘んだエディブルフラワーを使ったちらし寿司の盛り付けなどを行いました。やはり料理教室の生徒さんということもあって、料理体験はとても熱中して取り組んでいました。

 そして、水産加工品の生産者や自治体職員も招いてパーティを行いました。パーティには参加者が作った料理に加えて、地元の特産品を使った郷土料理、華やかな空間をご用意いただき、和やかな雰囲気で行われました。参加者は地元の方との交流を楽しんでいる様子で、ツアー後のアンケートにも人、料理、空間を評価するコメントをいただきました。

 パーティを終えると2018年11月にオープンしたばかりのイミグレに宿泊。「客室からのオーシャンビューが素敵」、「スイートルームは家族やグループでの旅行に良い」など参加者からは非常に好評でした。

 

【4日目】

 最終日は藤子・F・不二雄さんの故郷である高岡市でドラえもんトラムに乗車し、高岡市藤子・F・不二雄ふるさとギャラリーを見学、最後に高岡駅にあるドラえもんポストに3日目に作った和紙のはがきを投函するという行程でした。香港でも人気のドラえもんへの関心は非常に高く、常にカメラを向けて記念撮影をし、時間もまだまだ足りないというような雰囲気でした。そして、最後は新高岡駅にてはっぴを着た6市の担当者に見送られ、富山を後にしました。

 

【まとめ】

 本ツアーでは日本に興味のある層に向けて富山県西部6市の食を中心とした魅力をインスタグラム等のSNSで発信するとともに、来日経験の豊富な香港の女性のリアクションを見ることができました。

 ツアー後に参加者に記入してもらったアンケートでは、体験内容を高く評価する声だけでなく、ところどころ辛辣な評価もいただきました。この意見は参加者が感じた素直な意見であり、これらの情報を事業者にフィードバックし、次につなげることが自治体の役割であり、当事業の価値であると感じられました。

 また、本ツアーでは全体を通して各訪問地での滞在時間が短くなり、もう少しゆっくりしたかったというご意見もいただきました。FAMトリップ開催の際、多くの観光地、売り込みたい場所を訪問し、数多く投稿してもらうことも重要ですが、ゆとりを持って訪問し、質の良い写真をとっていただき、質の良い投稿によりプロモーションすることも重要です。両者のバランスを見て、戦略をもってツアーを造成することが必要だと思われます。

 なお、本ツアーについてはプロモーション動画を作成し、クレアHPだけでなく、ABC社のHPやSNS、海外の教室を活用する等して周知・拡散させていく予定です。

自治体名をキーワードにしたインスタグラム検索結果では 参加者の投稿が人気上位にランクイン

                 参加者のインスタグラムに掲載された写真

 

【ツアー行程】

 

 1日目

時間 場所

8:55

~18:10

羽田空港に到着後、新幹線で新高岡駅着

19:00

~21:30

温泉旅館で色浴衣に着替えて夕食、宿泊(高岡市/磯はなび)

  2日目

9:00

~12:00

鋳物工場見学、ぐい呑み製作体験、上生菓子作り実演を見学(高岡市/能作)

12:50

~14:20

新湊漁港で紅ズワイガニの昼セリを見学後、新湊きっときと市場で昼食(射水市)

15:00

~16:40

日本酒酒蔵、ウイスキー蒸留所見学(砺波市/若鶴大正蔵・三郎丸蒸留所)

16:50

~17:30

チューリップ四季彩館を見学(砺波市)

18:30

~19:30

夕食(南砺市/お食事処坂出)

 

宿泊(南砺市/五箇山荘)

 3日目

8:30

~ 9:10

世界遺産の相倉合掌造り集落を見学(南砺市)

9:30

~11:00

五箇山和紙の里にて和紙すきを体験後、たいらマウンテンスクールで餅つきを体験(南砺市)

11:30

~12:00

エディブルフラワー収穫体験(南砺市/千華園)

12:40

~13:40

昼食(小矢部市/マルカッサン)

14:00

~15:00

醤油の製造現場見学(小矢部市/畑醸造)

15:50

~16:50

買い物(氷見市/氷見場外市場ひみ番屋街)

17:00

~20:00

コミュニティスペースを利用し料理体験およびパーティ(氷見市/ヒラク)

 

宿泊(氷見市/イミグレ)

 4日目

8:50

~10:40

ドラえもんトラムで移動し、藤子・F・不二雄ふるさとギャラリーを見学。3日目に製作した和紙のはがきを高岡駅にあるドラえもんポストに投函(高岡市)

11:10

~15:30

新高岡駅発、成田空港着

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