食を通じた地域のプロモーション・交流事業

第1回食を通じた地域のプロモーション・交流事業を香川県と三豊市で開催しました!

 クレアでは、株式会社 ABC Cooking Studio(以下「ABC社」という。)と連携し、韓国・中国・東南アジア各国のABC社の教室に通う発信力の高い生徒を、日本に招聘するツアーを本年度より実施しています。

 本事業は、地域の「食」をテーマとした料理体験や収穫体験を、SNSや各種メディアで発信してもらうことで、地方自治体の海外販路開拓やインバウンド促進につなげることを目的としています。

 第1回目となるツアーは、開催自治体として香川県及び香川県三豊市を選定し、2018年7月11日(水)~14日(土)の日程で実施しました。

 

【1日目】

 今回の参加者は6人。ABC社のシンガポールにある教室に通われている20~40歳代の講師と生徒で、日ごろからSNS、特にインスタグラムを活用され、フォロワーが多い方を招聘しました。既に10回ほど来日経験のある方もいましたが、皆さん香川県訪問は初めてでした。

 高松市では、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで三ツ星を獲得した特別名勝・栗林公園を訪問。園内の掬月亭では浜田恵造香川県知事による歓迎挨拶後、抹茶を体験しました。参加者は庭園のベストスポットを探して撮影し、さっそくSNSへアップしていました。

 また、ウェルカムパーティーは高松シンボルタワーにあるフレンチレストランAlice in Takamatsuにて行い、地元産品を取り入れた料理が数々出されました。

 

 

【2日目】

 翌日は小豆島へ移動。最初の目的地であるオリーブ公園はあいにくの曇天でしたが、魔女の宅急便をイメージした写真を撮れるということで、箒を小道具にして楽しく撮影を行いました。

 オリーブの栽培と、オリーブを使ったオイルや化粧品の加工・製造を行う井上誠耕園では、市販のオイルと小豆島産オイルの違いについて、試飲をしながら丁寧な説明がありました。オリーブオイルは果実そのものである等の内容に、参加者は熱心に聞き入っていました。

 その後、中山千枚田、オリーブの大樹、エンジェルロードを訪れた後、県との共同開催自治体である三豊市へ移動しました。

 

 

 三豊市では最初に、地元のレモンを使った商品を製造・販売しているLollo Rossa(ロロロッサ)を訪問。市の担当者が「アルコール度数が高いリキュールなので冷凍庫に入れても凍りません。キンキンに冷やして楽しんでください」と説明したところ、追加で購入する参加者が現れ、商品説明の重要性が改めて分かりました。

 移動中の車内で市役所の方が、美味しいかき氷屋さんの画像を見せたところ、参加者がぜひ訪れたいとのことで、急きょ地元の有名かき氷店KAKIGORI CAFEひむろを体験しました。

 その後、中橋造酢の仁尾酢蔵を見学。シンガポールにはそもそも酢や醤油・お酒を造る工場が無いことに加え、レトロな外観も相まって、参加者の興味を引きつけていました。

 この日の最後の訪問先は、ボリビアのウユニ塩湖のような水鏡に映ったインスタ映えする写真が撮影できるスポットということで最近話題の父母ヶ浜。数日前に西日本を襲った豪雨の影響で、遠浅の状況はあまり良くありませんでしたが、絶好の撮影スポットであり、また、市役所の方が傘やひまわりといった小道具を用意してくれたことから、参加者はかなりの時間を写真撮影に充てていました。この父母ヶ浜ですが、遠浅で海水浴に向かず、以前はお客さんが少なかったそうです。観光客のニーズに合った新しい価値を戦略的に発信することで、急に外国人を含めた多くの観光客が訪れ、地元も驚いているそうで、アイデアやきっかけ次第で集客できる良い事例と言えます。

 三豊市でのウェルカムパーティーは、父母ヶ浜に面したお洒落な雰囲気の店内で、地元食材にこだわった料理をいただける飲食店cafe de flots(カフェドフロ)で開催。山下昭史三豊市長にもご参加いただきました。今回の食のテーマに合わせた、テーブルを使った創作デザート作りには参加者から歓声があがっていました。

 

 

【3日目】

 この日は三豊市に新たに誕生した、讃岐うどん文化を学びながら地域を楽しむ体験・宿泊施設UDON HOUSEから行程がスタート。全国のうどんと讃岐うどんの違い、だしの味の違い、文化的背景等を外国人講師から英語で丁寧に説明を受けたうえで、実際にうどんを作り、おいしくいただきました。

 うどんの紹介の中で、だしの違いが説明されたことから“いりこ”に興味を抱いた参加者の意向で急きょ地元の農産物直売所を訪問。結果として直売所が、全行程を通じて一番購入量が多いショッピングスポットとなりました。

 その後行った桃狩りは、まだ正式にツアーとして受入を行っていませんが、シンガポールで体験できないこともあり、参加者から体験料についての問い合わせがあるなど関心が高く、今後正式な観光コンテンツとして需要があることが確認できました。

 三豊市の体験はここで終了となり、その後は琴平町を散策。現存する日本最古の芝居小屋・旧金毘羅大芝居(金丸座)に、参加者は非常に興奮していました。想定を超える良い反応を受け、直接訪問してもらわなければどの程度興味を持ってもらえる体験か分からない難しさを開催自治体と共有しました。

 その後、参加者は浴衣に着替え、旅館の庭園でインスタグラム投稿用の写真を撮影しました。写真や動画の見栄えを意識したオプションとしての位置づけでしたが、撮影時間は1時間を超え、最も楽しかった体験に浴衣を挙げる方もおり、ターゲットに合わせたツアー造成の必要性が、この体験からも確認することができました。

 

 

【4日目】

 最終日は直島へ移動し、ベネッセハウスミュージアム、地中美術館訪問の後、港周辺アートを鑑賞。

 高松市へ戻った後は、シンガポールでも販売されている伝統工芸の水引を体験。最後は香川県名物の骨付き鶏のお店で夕食をとり、帰国の途に就きました。

 

 

【まとめ】

 本ツアーを通じて、香川県及び三豊市の食の観光コンテンツについて、日本に高い関心を有するシンガポール女性のリアクションを確認するとともに、インスタグラム等のSNSやブログを通じて、その魅力を発信することができました。

 このようなツアーを実施するうえでの留意点として、インスタグラムを活用している女性は、とにかく写真を撮りますので、従来のツアーとは全く違った発想・スケジュールで行程を練らなければなりません。

 カメラマンが同行する場合は、撮影した良い素材を参加者に共有して、旅の合間にシェアしてもらえるようなインフラ環境の準備も必要になります。

 また、一番大事な点は、ホスト精神溢れる方が、単なる案内だけでなく、文化的背景やストーリーを、前提知識が違う外国人に分かるような表現で伝えることだと思われます。そのためには、通訳の方と事前に詳細な情報を共有しておくことと、自治体担当者が熱意をもって接することが重要であると感じました。その点、今回は県の国際交流員(CIR)が、自分の言葉で県の魅力を発信できたことから、参加者から素晴らしく高い評価を得ることができました。

 なお、本ツアーについては今後プロモーション動画を作成し、クレアHPだけでなく、ABC社のHPやSNS、海外の教室を活用する等して周知・拡散させていく予定です。

 

 

【ツアー行程】

 1日目

時間 場所

12:00

~13:15

羽田空港を出発し、高松空港着。香川県のマスコットキャラクター「親切な青鬼くん」による出迎え

13:30

~15:30

高松市内のホテルへ移動。昼食・休憩

15:45

~17:45

栗林公園散策。抹茶体験。県知事挨拶。土産物店でのショッピング

18:00

~20:30

レストランでのウェルカムパーティー

 2日目

9:00

~14:45

小豆島にて。オリーブ公園、井上誠耕園でのオリーブオイルテイスティング講座、ショッピング、中山千枚田、千年のオリーブ大樹、エンジェルロード

17:00

~19:00

三豊市にて。レモン農家直売所Lollo Rossa、かき氷店ひむろ、仁尾酢蔵見学、父母ヶ浜での写真撮影

19:00

~21:30

三豊市地元カフェでのウェルカムパーティー

 3日目

8:30

~12:30

 UDON HOUSEでのうどん作り体験

12:50

~13:15

 農産物直売所でのショッピング

13:20

~14:40

 桃狩り

15:15

~19:00

琴平町にて。旅館で一時休憩。参道散策。金丸座。浴衣姿の撮影

19:00

~20:30

旅館での夕食

 4日目

11:00

~14:20

直島にて。ベネッセハウスミュージアム、地中美術館、港周辺アート鑑賞

15:40

~17:30

水引作り体験

17:50

~18:30

骨付き鶏の夕食

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